スキースノーボード用フッ素不使用のワックスを作る日本製メーカー TEMA RESCUE WAX

来シーズン最高の滑りをするために


シーズンも後半にきて保管の仕方のお問合せをいただきます。来シーズンをもっと『楽』にもっと『楽しく』滑るための簡単なコツを紹介します。
大きく分けて皆様は次のどちらかのタイプかと思います。
①無双・スーパー無双を施工しているお客様(無双・スーパー無双をこれから検討しているお客様)
②ホットワックスが出来ない・アイロンを使ったことがないお客様

①無双・スーパー無双を施工しているお客様(無双・スーパー無双をこれから検討しているお客様)


答え:無双を滑走状態に仕上げて保管

アイロンをお持ちの方で現在パラフィン(ロウ:一般的なワックス)をされている方、既に無双やスーパー無双、山岳無双をご利用の方やこれから検討中の方。

まずよくあるお問合せで「滑りが悪い」「思ったほど保たない」「急に滑りが悪くなった」方のほぼ100%はパラフィン系(ロウ:他社のワックス)と併用されている、もしくはベースワックス(下地)を他社ワックスで塗った場合に起きます。

無双・スーパー無双の施工のポイントは
①適切な施工
②適温での施工
③他のワックスと混ぜない
です。

まず一番問題になることが多い③他のワックスと混ぜないについてですが、無双シリーズ(無双・スーパー無双・山岳無双)は滑走面と同じポリエチレン素材をベースにしています。
滑走面には種類(P-TEXやシンタード、エクストルード他)がありますが、その全てはポリエチレンをベースに作られています。
このポリエチレンがポイントで、無双は同じ素材をベースとすることでパラフィン(ロウ:一般的なワックスのほとんど)と比べ、大幅な強度向上と密着性(よく言う浸透性と似ている)があります。
ここにパラフィンが混ざる、もしくは下地にある状態となると密着性と強度が大幅に落ちてしまいます。
ですので、無双シリーズを施工する前には必ず古いパラフィン系ワックス(他社のワックス)はリムーバー等で落としてから施工するようにしてください。
また、無双シリーズは汚れを落とし、毛羽立ちを取る効果があるので1度目や2度目の施工時に少し多めの量で施工することで、この古いワックスを除去し汚れや毛羽立ちを取り除くことができます。
2度3度と施工していただくことでさらに密着性が上がり、本来の性能を出すことができるようになります。

一般的なパラフィンワックスは、ベースワックス→滑走ワックス+温度や雪質に合わせたワックスを重ねて塗るのが通常であり、中には一回の滑走で4回5回と塗り重ねるケースもよくあります。

よくあるご質問で、「本当に一回でいいんですか?」といただきますが、無双シリーズは0ベース兼滑走ワックスです。上記で書いた注意点を守りしっかりと無双だけの施工が出来た場合、無双は滑走ワックス兼ベースとなります。

そしてここで言うベースとは、一般的な下地ワックス(密着度を高めるワックス)とは違い高度な滑走性を備えた基本(ベース)となります。

この無双が塗られた状態だけで、基本的に全ての雪に対応し高度な滑りが可能です。
そして、この無双状態にプラスしていくワックスがレスキュー の生塗り系(パウダー・リキッド・固形)シリーズのワックスです。

併用する必要は必ずしもありません。
スーパー無双などは私どもレスキュー のライダー小嶋大翔氏が語ってくれていますが、レースレベルで滑ります。
そこに、例えばRESCUE ZEROを塗れば冬の雪でさらに滑らせることができる。
黒固形や雪虎を塗れば春はもっと滑る効果を生み出す上に、無双シリーズ自体の耐久力も上がります。(摩耗を防ぐため)


 ①の適切については、まず板がフラットかどうか。コンベックスやコンケーブなど凸凹の滑走面の場合、ほんのコンマ何ミリの凹みなのですがアイロン温度がワックスに届かず、溶けきれない状態になります。

ムラになってしまう場合はこの凹み(ビンディングの裏側やエッジ際、太い板などは全体的)が原因です。この場合はチューンナップでフラット出しをするのが一番良いですが、コストもかかるため出来ない場合は、少し多めの量で作業するか逆に無双で埋める。またはスーパー無双にすると施工しやすくなります。
先にも書きましたが、別のワックスをしっかり取り除くことも綺麗に塗る際のコツです。

②適温での施工とは、アイロンの温度です。
無双(粉末状のワックス)をしっかり溶かすために必要な温度があり、それを守らないと溶けきれない状態となり全く密着できません。

一つにはアイロンの温度を140度以上、アイロンのマックス温度180度レベルでも施工可能です。私たちスタッフは150度以上の温度で施工しています。
■よくある質問でアイロン温度について がありますが
従来のパラフィン系ホットワックスは板を温めた状態で施工します(50度から60度程度)これは人間で例えると毛穴が開く状態にしてかから塗るイメージです。
冷えた滑走面にパラフィン系ワックスは密着(浸透と呼ばれている)しませんが、無双シリー板を温めるのではなくワックスを溶かすことが重要なためワックスがしっかり溶ける温度が必要となります。

おすすめのアイロンは、ガリウム 社から出ているが、温度がしっかり上がる(どのメーカーも意外とメモリと実温度が違う)点とエッジ(角部分)が丸みを帯びており塗りやすい点です。
実はAmazonなどで売られている一般的な家庭用アイロンも使えますので5000円程度で売っている家庭用アイロンを使う手もあります。
こちらの場合はフッ素コーティングを剥がしてから使うと使いやすいです。

 



シーズン終了時の保管について


シーズン終わりの保管方法の基礎そなることは「無双は滑走状態に仕上げて保管」です。
通常の施工を施し、滑走状態で保管してください。
この時のポイントとしては春の汚れをとっておくことです。
滑走面は無双シリーズが守ってくれますので安心ですが、エッジは錆びてしまうことがあります。
まずは清掃、水洗いでも良いので洗った上でよく乾かしできたら錆止めを塗っておくと良いでしょう。
錆止め剤とは違いますが、レスキューワックス のエッジサイドウォールワックス侍を塗っておくと空気と触れにくくなるため錆防止効果があります。

よく言われることが、滑走面の酸化です。
実はこの酸化という現状は間違いで、酸化ではなく滑走面が乾くことによって毛羽立ちが目立つ状態になっている。が正しいかと思います。

滑走面のポリエチレンは酸素に触れるだけで劣化はしません。
その点エッジは空気に触れると水等と反応して酸化=錆が発生します。
この錆が問題ですので

結果を言いますと

①無双シリーズで滑走状態に仕上げる。

②エッジ周りの錆止め処理、もしくは綺麗な状態に保つ
で保管してください。

嘘かと思われることが多いですが、無双シリーズは削り取られて無くなるまでは1年でも滑走可能です。



②ホットワックスが出来ない・アイロンを使ったことがないお客様


アイロンを持っていない・使ったことがないお客様は
1)無双スペシャリスト認定店のチューンナップショップで仕上げてもらう
2)そのまま保管する
方法があります。


1)無双スペシャリスト認定店
プロショップなどの専門家がいるお店でお客様の板をメンテナンスします。
ホットワックスのみ、エッジチューン、フルチューンナップも可能です。
認定スペシャリスト店についてはこちらのページでご確認ください。

滑走面をホットワックスだけでなくチューンナップすると、新品を超える性能を出すことが出来ます。
特にシーズン中、レスキューワックス のきわみや雪虎など生塗り系や他社の簡易ワックスで滑ってきたお客様はウインタースポーツの人生の中で是非チューンナップをやってみることをお勧めします。

新品よりも、自分に有ったマテリアルになれば最高ですよね!

2)そのまま保管する場合
ファミリースキーや私たちがワックスサービスの中でアンケートを取ると全くワックスをしない(もしくは購入時など1度程度)方が8割以上いらっしゃいます。


さてこの場合は、シーズン後の汚れを拭き取り生塗り固形を塗っておいてください。エッジに侍を塗ることもお忘れなく。生塗り固形というワックスは無双シリーズを固形化したもので、毛羽立ちを抑え滑走面を復元する効果があります。
また、極や雪虎を薄く塗っておいても良いです。
ホットワックスほどの効果はありませんが保湿効果があることと汚れをつけさせない効果があります。(リキッド系は効果を保証するものではありません)

簡単ですが、滑走面の保護とエッジの保護をしておくだけでも翌シーズン良い状態で滑ることが出来ますのでお試しくださいませ。